W旅 1両目「スパイスと仏教の香り漂うスリランカ」|WOWOW動画 【旧:W流】
W旅 1両目「スパイスと仏教の香り漂うスリランカ」
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空想列車に乗って世界の旅へ

W旅 1両目「スパイスと仏教の香り漂うスリランカ」

列車の旅はがたんごとんと揺られながら、ゆっくりと移動する。のんびりと移り変わる車窓からの眺めを楽しみながら、土地の食べ物をつまみ食いして、習慣に触れて現地の人に近づいていくのが心地よい。でもそんな贅沢に時間を使える旅には簡単に行けない。だから、リビングに居ながらにして行ける列車の旅はいかが? さあ、今日、今すぐに。現地を走る列車に気持ちを乗せて行こう!

旅とは日常のルーティンワークに埋没してしまって、すっかり鈍くなった感性を呼び覚ますもの。日常生活を一時忘れさせて、新鮮な感動をくれるものである。例えそれが、現地の人にとって何でもない日常生活の一コマでも、外から来たものから見ると初めて見る植物や、食べ物や習慣で目新しく感じることはよくあるからだ。特に列車の旅は揺られながらゆっくりと移動する間に、その土地の食べ物や習慣に触れて現地の人に近づいていく。ガタンゴトン、ガタンゴトン……と心地良いリズムに揺られて、ついうとうとと眠ってしまって寝過ごしたり、それを見られて「ああ、あの人眠って寝過ごしたんだよ、フフッ」と笑われていたりする。それに照れくさそうに笑い返すと、なんとなくつたない会話が始まって、地元で人気のキャンディや果物のおすそ分けをいただいたりする。列車の旅はしんな地元の人との距離感が近いところが面白い。

車窓を流れる風景も、飛行機のように急激に大変化するものではなく、船のように波と空しか見えない水の上を漂い、陸との断絶感を味わうような旅情とはまるで違う。しいて言えば、じわじわと現地の習慣が身に染みて体に同化していくような感覚なのだ。食べ物が消化吸収されて自分の体の一部となるように、その土地が浸透していく。それは列車の旅ならではの醍醐味なのだろう。

WOWOWという一つの世界を、リビングにいながらにしてゆったりと時間を使って味わう『W旅』。ファーストトリップはインドの南に位置するスパイスと仏教の国「スリランカ」を旅する。コロンボからゴールに向かう列車に乗ってコロンボ市内へ入ると、ぶわっとスパイスと埃の香りが車内まで入り込んでくる。むせ返るようなスパイスの匂いに胃が刺激されて、カレーが無性に食べたくなった。しかも電車の中で隣に座っていた子供のアルミ缶に入ったお弁当がカレーのようで、さっきからたまらなくいい香りが鼻を胃をかすめているのだ。スリランカは海に囲まれた島だからきっと魚介のカレーがおいしいに違いない。ふいに香りが切り替わった。シナモンのような匂いが鼻先をかすめた。何か香水のようなエッセンシャルオイルの香りをふわっと漂わせて、サリーを着た女性が傍を抜けて下車していった。窓の外を見ると釣鐘型の寺院が見える。仏教寺院だ。スリランカはインドに似た国なのに、ヒンズー教でもイスラム教でもなく、仏教なのは意外だ。そういえば釈迦の歯が祀られた寺院もここにあったはずだ。
結構列車に乗り続けていたので腰が痛くなってきた。そろそろ列車を降りてまず魚介、エビがいいな、エビカレーを食べよう。それから腰をアーユルヴェーダのマッサージを受けて、夕日が落ちる海を見よう。それから仏歯寺を詣でにスリランカ第二の都市キャンディに向かうのだ。

文●明野春

2014.03.28

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